2014年9月24日水曜日

ホドラー クリムト 藤田嗣治 夢を記録する画家たち

今年の10月7日から年明けにかけて大規模な「フェルディナンド・ホドラー展」が上野の国立西洋美術館で開かれる。日本とスイスの国交樹立150周年事業の中核イベントだそうだ。理由は何であれ稀な機会なので嬉しい。暮れに帰省したら観にいくつもりだ。国立西洋美術館で「ホドラー展」を見るのは40年ぶりになる。前回は大学生になった年の5月だから1975年のことだ。ホドラーの「夢」という作品が一番好きだ。オレンジ色の長い髪の女性が草原に座っていて、その画像の下に眠る少年が横たわっている。もう一枚「夜」というとてもインパクトの強い作品がある。これは言葉では表現しきれないほど不思議な絵だった。それから20年経ってチューリヒの美術館を訪れ、ホドラーの絵と再会した。とても懐かしい時間だった。今回の上野の展覧会で何枚懐かしい絵に会えるだろう。楽しみだ。

フェースブックでホドラーの話をした時に、「クリムトを思い出した」と書いた人がいた。なるほどのコメントだ。スイスの画家ホドラーは山と湖の絵だけが美術の教科書などで紹介されていることが多いが、実は同じ時期にウィーンで活躍したギュスタフ・クリムトと並んで象徴主義をリードした画家だ。クリムトの傑作の一つがウィーンの分離派美術館にある壁画「ヴェートーベン・フリーズ」だ。この絵はヴェートーベンの音楽をモチーフとして、それを凍らせて絵の中に閉じ込めたような圧倒的な絵だ。この絵とホドラーの幾人もの人物を並列的に配置したいくつかの絵には明らかに共通するものがある。

ホドラーの「夢」から連想するもう一枚の絵がある。藤田嗣治の「私の夢」という絵だ。輝くように白い、透き通るように美しい人が横たわっている。背景は黒で、眠るその人のまわりをカラフルな猫たちが取り囲んでいる。この絵は郷里である長岡市に現代美術館があった頃の所蔵作品だった。この美術館は佐伯祐三の「広告塔」などいくつもの傑作が並んでいた。長岡の奇跡だった。藤田の絵とこの美術館については別のブログに書いている。



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