2015年9月1日火曜日

楡の木の思い出

この写真の屋根が素敵な教会はElmwood Road(楡の木通り)という通りにある。ロンドンの加藤節雄先生の写真クラブの7月例会のテーマが「屋根」だった。いろいろ苦心したがなかなか面白い写真が撮れなかった。作品提出の締め切りも近ついてきたある日、この道を散歩しているとこの教会の屋根が目に止まった。この月の佳作に入れていただいた。

日本を離れる前の1989年頃に、ユージン・オニール作「楡の木蔭の欲望」というお芝居を東京で観たことがある。1988年にアメリカから帰国していたので、懐かしい気持ちと、どのくらい英語の芝居が理解できるかの腕試しの気持ちもあって観に行った。ほとんど理解できなかったので口惜しかったのだと思う。それからこの人の名前はずっと覚えている。いつかもう一度観直してみたいと思っている。あれから四半世紀の海外暮らしなので今度は大丈夫だと思いたい。

ユージン・オニールと言えばもう一つ想い出がある。映画「レッズ」で主役のウォーレン・ベイティとヒロインのダイアン・キートンにからむ重要な役をジャック・ニコルソンが演じた。それが劇作家ユージン・オニールの役だった。彼は「世界を揺るがした10日間」を書いたジョン・リードの友人でありながらそのパートナーであるヒロインに恋をする。ロシアに行ったまま帰ってこない恋人を待つヒロインは、寂しさと自分が何者なのかというあせりから、自分に関心を持ってくれるユージンと付き合ってしまう。忘れたいと思った恋人が戻ってきてしまうと、彼女はユージンに別れを告げる。傷つく男心を演じたジャック・二コルソンの渋さが印象的だった。

楡が出てくる歌と言えば、舟木一夫の「高校三年生」という歌がある。「赤い夕陽が校舎を染めて 楡の木蔭に弾む声」と歌っている。いい歌だ。もう一つ付け加えるとわたしが生まれた鴉ケ島という土地の最寄の駅が栃尾鉄道の楡原だった。楡には縁がある。


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