2015年9月15日火曜日

ロンドン南西部 チズイックの文学と芸術の史跡探訪

その1。映画にもなった小説「眺めの良い部屋」、「ハワーズ・エンド」、「インドへの道」などを書いたE.M.フォースターはターナムグリーンを眺めるフラットの住人だった。長岡高校同窓で気鋭の経済学者である依田先生によれば、フォースターはケンブリッジ大学キングスカレッジ出身で、著名な経済学者ジョン・メイナード・ケインズの数年先輩だ。共に学生の秘密結社「使徒会」に所属し、後に女流作家ヴァージニア・ウルフ等を加えて、ロンドンでブルームズベリー・グループを形成し、英国の文芸活動などに大きな影響を与えたそうだ。



その2。アイルランドの詩人で、ノーベル文学賞も受賞したイェーツは「ケルト妖精物語」や「ケルト幻想物語」でも知られている。この人も若い頃にチズイックの住人だったことを知って、この人にとても興味がわいてきた。地下鉄のターナムグリーン駅の北側にある通りの家だ。わたしは南側でターナムグリーンの近くに住んでいる。この人の詩に出てくる野ネズミもナナカマドも英国の秋の風物詩です。この詩人のプロポーズを拒絶し、その後の詩人の傾向に決定的な影響を与えたと言われる運命の女性と初めて出会ったのもこの家だそうだ。
  Autumn is over the long leaves that love us, 
  And over the mice in the barley sheaves; 
  Yellow the leaves of the rowan above us, 
  And yellow the wet wild-strawberry leaves.



その3。19世紀後半に活躍し印象派の先駆者と称されるカミーユ・ピサロはフランスの人だが、一時期ロンドンにも住んでコンスターブルやターナーなど英国の風景画家の絵を研究したそうだ。この人が住んでいたのが地下鉄ターナムグリーンの駅に近いバース通りだ。この通りは地下鉄スタンフォードブルックからベッドフォード公園に向かう線路沿いの北側にある。ピサロはこの周辺の風景画を何枚か書いている。
 

その4。俳優コリン・ファースと言えばもう説明の必要がないほど知られている。「高慢と偏見」、「ブリジッド・ジョーンズの日記」などで人気が出てから様々な話題作に主演している。この人が地下鉄ターナムグリーンの駅に近い寿司の名店「真琴」のおなじみであることは知る人ぞ知る事実だ。まだ有名でなかった頃は店内でも食事をしたそうだが、今はテイクアウトだけ。今でも月一くらいで来店していると、真琴のおかみさんから教えてもらった。真琴は駅の線路の南側にある。ファース氏が住んでいる辺りは北側の豪邸地域だ。この辺りはその昔特別に開発されたところで歩くとすぐにわかるが、三階建てくらいの赤レンガの建物がベッドフォード公園を中心に広がっている。


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