2015年5月24日日曜日

22年ぶりにキューガーデンズを訪れた

4月の末に高校同窓のOさんのご夫妻が英国を訪れた。その訪問の最後にわが家を訪問していただいたので、楽しい時間をすごした。奥さんは子供の頃にロンドンに住んでいたので、何度も来ているが、ご主人は初めてだそうだ。近所のSam’sというブラッセリーで、地元チズイックの誇るエール「ロンドンプライド」で乾杯した。パドロン・ペッパー(しし唐風)とミニチョリソが前菜だ。メインのスパイスの効いたチキンも、ポークも、パスタも美味しかった。わが家に移動して、お土産にいただいた新潟の銘酒「〆張鶴」の純米吟醸も空けた。

ご夫妻がレンタカーで英国をあちこち回った話から、好きな本の話になった。Oさんが筋金入りの村上春樹ファンであることが判明した。わたしも20世紀の終わり頃まで熱心なファンだったので村上春樹はかなり読んでいる。最近読んだのは「海辺のカフカ」だ。これは蜷川カンパニーの「海辺のカフカ」が5月にロンドンで上演される話を聞いたのがきっかけだった。この本はずいぶん前に、あらすじだけ読んで挫折したままになっていた。ギリシャ神話のオイディプス王の物語の父王を殺して、母を自分の妃にするという辺りがストーリーと関係しているという紹介文を読んだだけで、気が滅入りそうで敬遠した。最近になってFB友だちの栃尾のTさんもこの本についてフェースブックに書いていた。イタリアに嫁がれたお嬢さんのおススメで読まれたそうだ。それやこれやでわたしも読んでみた。面白かったのでブログに感想を書いた。

酒を飲むほどに、ご夫妻の学生時代の思い出話やら、W大の演劇部出身で女優をされている奥さんの話やらが飛び出してきて、盛り上がった。同じくW大出身の角田光代さんの話になった。原田知世主演でドラマ化され、宮沢りえ主演で映画化された「紙の月」や、いくつかの映画の原作者としてこの小説家の名前は知っていたが、本を読んだことがない。奥さんの友だち経由でご縁があるそうだ。さっそくピカデリーの日本書店に出かけて、文庫本を3冊買ってきた。積読はわたしの趣味でもある。

昔ロンドンに住んでいた奥さんが懐かしい場所ということで、王立植物園であるキューガーデンズにもご一緒した。モクレンやヒメリンゴやヤマザクラが咲いている植物園を歩きまわった。とにかく広い。ところどころに珍しい植物があり、丁寧な説明がついているのが面白い。セイヨウハナズオウという赤紫の花をつけた木が気になった。説明を読むと「ユダの木とも呼ばれ、聖書に出てくるイスカリオテのユダが首を吊った木と言われている」とある。紫色のちょっと不思議な感じの花も咲いていた。「蛇の頭(snake-head)」という名前のユリ科の植物だった。まだまだいろいろありそうだ。また来たくなった。この植物園はわたしが住んでいるチズイックからは車で15分だが、犬を連れていけないので長い間行ったことがなかった。いつもここを素通りして、リッチモンド公園を散歩している。1993年の春にロンドンに住み始めた頃につれあいと一緒に行って以来の22年ぶりの訪問だった。






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