2016年6月14日火曜日

キュウリとガーキンの違いについて

ロンドンの金融街シティの風景として登場することの多い丸みを帯びた高層ビルはガーキン(Gherkin)という愛称で呼ばれる。辞書を引くと「ピクルス用の若いキュウリ」とある。そのままキュウリと訳してはいけないのだろうか?しばらく前にフェースブックで欧州多言語翻訳ソフトという優れものが話題になったことがある。このソフトを使って英語の「キュ-カンバー(cucumber)」をチェックしてみると独語で「グルケン」、露語で「アグリエッツ」と出てくる。

「ガーキン」という言葉は東欧・旧ソ連地域でキュウリを示す言葉の中の「グル」や「グリ」の音に似ている。冬の厳しい地域で保存食であるピクルスをよく食べることは独語圏のウィーンに住んだ時の記憶とも、仕事で冬の旧ソ連圏の国々を訪れた時の記憶とも合致する。訪れた街角のレストランで前菜やサラダのメニューの中にピクルスの盛り合わせがあるかチェックすれば明らかだ。

わたしは酢漬けのトマトもキャベツも大好きだ。キュウリのピクルスも好きだが、これはこりこりしていないと美味しくない。「ふーむピクルスのキュウリはロシア系とかドイツ系の友人の家のパーティで食べたのが美味しいなあ。だからこれはキュウリとは違うんだ。ガーキンでなければ」というふうに英語圏の人たちがいつもとは違う言葉を愛用するようになっても不思議ではない。

http://www.ukdataexplorer.com/european-translator/?word=cucumber



 

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