小さな渓谷全体がつつじの色に染まるイザベラ植物園を訪れたのは一年前の4月の終わりだった。事情もあって長い海外生活を打ち切る準備に入った頃になってようやくロンドンの様々な会合に顔を出すようになった。たくさんの出会いがあった。この秘密の花園は新潟県人会でお会いして以来親切にしてもらった近所の友だちに教えていただいた。それからひと月ほどつつじが終わる頃までこの場所に通い続けた。
その後もここで様々な植物と出会った。野鳥や水鳥や鹿や夕陽の写真を撮るようになった。加藤節雄先生の写真クラブとの出会いもあった。帰国して鎌倉に住んで花や鳥や風景を撮影するために寺巡りをして、関連文献をチェックする今の生活の原型はこの場所にある。
ここでつつじの風景を見て以来、気持ちの中で何かが変わったのだと思う。ひと月ほど数日ごとにこの場所でつつじの群生の変化を眺めていた。こんなに美しいもののそばにいながらそれまで見たことのない自分の生活が少し変だと思った。その頃には帰国の方針を固めていたので何かそれを正当化する理由を探していたこともある。死ぬ前に見たいものはまだたくさんあるはずだという気持ちは今も変わらない。
ここでつつじの風景を見て以来、気持ちの中で何かが変わったのだと思う。ひと月ほど数日ごとにこの場所でつつじの群生の変化を眺めていた。こんなに美しいもののそばにいながらそれまで見たことのない自分の生活が少し変だと思った。その頃には帰国の方針を固めていたので何かそれを正当化する理由を探していたこともある。死ぬ前に見たいものはまだたくさんあるはずだという気持ちは今も変わらない。
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