ロンドンを離れる前に気になっていて実行したことがいくつかある。テート・ブリテンに行ってウィリアム・ブレイクを観ることもその一つだった。このギャラリーでラファエル前派の部屋を観るのも大好きだが、薄暗い照明のブレイクの小部屋を訪ねることは同じ館内とは言え、ほとんど別の試みだ。ブレイクの絵は1987年に初めてロンドンを訪れた時に初めて観た。そういう自分自身のロンドン体験が懐かしいのだろうと思っていた。半世紀も過ぎると記憶が曖昧になってくる。英国の詩人であり、画家でもあるブレイクの名前を知ったのは学生時代に読んだ大江健三郎の小説やエッセイからだったことをしばらくぶりに思いだした。「新しい人よ、めざめよ」だけでなく、「個人的な体験」にも関わりがあるようだ。のめり込んだ時期があるので、あまり読み返したくない世界でもある。
0 件のコメント:
コメントを投稿