2016年9月8日木曜日

ミャンマー植林の旅 ゴミ捨て場のカラスたちとリサイクル図書館のこと

ミャンマー日本エコツーリズム(MJET)という日本のNGOがミャンマーの古都バガンで活動していて、バガンにある村々を選んで毎年1000本くらいの木を植えていると聞いたので、わたしも参加させていただいた。8月26日から9月4日まで9日間の旅だった。日本からは大学生3人を含む10人が参加した。現地のネイチャーラバーズというグループから6人が参加した。このNGOによる植林活動はすでに6年ほどの実績があるそうだ。これまでに植樹した数か所の村を回って若木の生育状況を確認するとともに、今年も新しい村で1000本の植樹を行った。子供たちは植林作業では苗運びを手伝った。村の男性たちは穴を掘ってくれ、女性たちは植えるのを手伝ってくれた。植樹だけでなく今後の水やりなど村を挙げて「自分たちの村の緑を守る」という意識と協力がなければボランティア活動としての植林活動は成り立たない。日本のNGOはこうした活動を企画実行すると同時に、日本で賛同者を集めて資金集めをしている。

これまでに植樹した林の状態の視察結果は場所ごとに様々だった。9割近くの木が育ってきれいな林が日陰を作っているところもあれば、白アリにやられてほぼ全滅のところもあれば、7割程度の木が生育しているところもある。首都のヤンゴンは一日に何度もスコールが降り、高温多湿だが、バガンは亜乾燥地帯であり8月末の滞在中には雨が降らなかった。今回植えた木はチークとタマリンドだった。これまで植樹された各村で木々の生育状況が異なるのは村人による乾期の水やり状況、水利当局による灌漑用水の配分状況、白アリなどの生息状況など様々な要因がからむそうだ。いくつか立派に生育している木の林をみていると宮沢賢治の童話「虔十公園林」を思い出した。

植林の旅では小学校をいくつか訪れた。村の共有の土地で木を植える場所として校庭の隣が選ばれることが多いからだ。MJETというNGOはここで学校の先生たちをサポートしながら環境の大切さを子供たちに実感させる目的で実験授業の試みも始めている。今後のMJETの活動として力を注いでいくことになるのはゴミの処分とプラスチックゴミなどのリサイクルだそうだ。バガンの村のゴミ捨て場の様子を見てみるとかなり深刻な状況にある。小さな村では焼却場の建設という方法は難しいので、適切な場所に穴を掘って埋めることになる。この対応が遅れている場所がゴミ捨て場と化してしまうと後は雪だるまのように大きくなっていく。もう一つの問題はキチンとしたゴミ捨て場とゴミ回収の仕組みがないと学校の隣などの村の共有地にゴミが散乱する状態になりやすいことだ。1.いくつかの村の連携をはかりしっかりした埋め立て地を作って運営していく。2.村ごとにゴミ収集のルールを作り、リサイクルを進めるなどしてゴミの量の減少をはかる。3.学校周辺などでゴミ拾いの運動を起こすなど環境美化のキャンペーンを進める。。。等々の対策が必要だと思われる。




ミリンダ図書館というプラスチックゴミのリサイクルの実例を見学する機会があった。ペットボトルを有料で回収し、それを壁の内部の建材として活用している建物だ。これは素晴らしい試みた。その昔3千ほども仏塔のあるバガンの森が消滅し、乾燥化が進んだのは仏塔を作るための煉瓦を焼くために多くの木が使われたからだそうだ。ペットボトルのリサイクルによって燃料として使われる木の消費量を減らすことは、木を生育させる植林と同様の効果を生むことになるはずだ。







ミャンマーという国で自然や街の風景というのが直接の動機で参加した植林ツアーだが、様々なことを考えさせられたのでしばらくわたしのミャンマー熱は続きそうだ。





 

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