2015年3月15日日曜日

ロンドンでスペイン米を炊く話

シルクロードを通じてイタリアートルコー中央アジアー中国ー日本と古くから交流があったことは良く知られている。これは絹の道であるのみならず、麺の道でもあることを中央アジアに住んで強く感じるようになった。スパゲティーラグマンー刀削麺ー担担麺ーシナ蕎麦ーラーメンという流れは日本の人にはなじみが深い。同じことが米についても言えそうだ。スペインの名物であるパエリャはシーフード炊き込み飯で美味しい。イタリアのリゾット、ドリア、ピラフはどれも美味しい。トルコのドルマもオリーブの葉で包んだ米だ。中央アジアのプロフは羊肉と人参に豆も入って栄養価満点だ。中国も米料理のチャンピオンだ。日本は豊葦原瑞穂の国という名前をもつほどの米の国だ。

ロンドンのわが家ではスペイン産のみのり米を鍋で炊く。今日もとても上手に炊けた。水を多めにするのと、沸騰してきたら弱火にして、途中でかき回すのがおこげをできるだけ少なくするこつだ。数回の試行錯誤で水加減と火加減をマスターすれば十分だ。とても簡単だが、最初に吹きこぼれるまでの20分くらいガスコンロの側にいる必要がある。吹きこぼれてすぐに超細火にしたら、後は放っておいても大丈夫だ。これをしないで強火で炊き続けるとあっという間に水がなくなり、焦げが増え、しかも中が炊けてないケースが増える。失敗した場合はお湯を足して、もう一度追い炊きするが、これだとおかゆに近いものになってしまう。

つれあいと結婚した頃に注文した炊飯器が届くまでの間、米を鍋で炊くのを見て「ワイルドな人だなあ」と感心したものだ。やがて夫婦で途上国暮らしを経験するようになって、鍋で米を炊くのは当たり前のことになったが、自分で炊いたことは最近までなかった。一週間に一度くらい大目に炊いて、炊き立てで楽しむ以外はシールつきの袋に小分けして冷凍しておく。電子レンジでチンすれば熱々で食べられる。冷凍する時にご飯をおにぎりみたいに固めないほうが解凍が楽だし、柔らかく食べられる。

日本のレトルトの炊き込みご飯を入れて、炊き立てを食べるのも最高だ。雑穀米をのせて炊いても赤飯みたいな感じになって美味しい。キッチンで本を読みながら週に1度か2度米を炊くのは楽しい。

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