2018年1月22日月曜日

ボケ味VS朦朧体

風景写真講座の教室の後で先生を囲んでお茶の反省会となった。話があちこちに飛んで楽しかった。この日の会場を提供してくださった方が写真を勉強しているお料理の先生だった。ごちそうしていただいた異国風のミルクティーがスパイスが効いていて、写真散歩で冷えた身体が暖まった。写真のボケ味を英語圏の人にどう説明するかという話になり、海外経験の豊富なこの料理の先生が「blur」かしらねえと即答された。視力に障害があったり、カメラの技術的な理由で「ボケて良く見えない」という意味になるのでなるほどだ。口語の「out of focus」という表現だと、文字通り焦点が合っていないという意味になる。的外れの意味の「out of the mark」「not to the point」などと似た感じでよく使われる言い方だ

ボケ味の先駆者と言えば横山大観先生がいる。岡倉天心先生に従って五浦にこもった4人の高弟たちが朦朧体という日本的な表現を追求したと伝えられている。昨年、行方市の上映会で「天心」という映画を観たことを思い出した。この映画の中では天心先生は朦朧体にとどまらず更なる邦画の新技法を高弟たちに求めたことが描かれていた。こちらの場合には技術的にボケるという感じの訳よりも、霞んでいるなら「hazy」、霧のかかったようなだったら「misty」という訳もありそうだ。どの訳がぴったりくるかは題材や、テーマによって変わるだろう。「blurred taste」だと英語圏の人には周辺だけを朦朧とさせて主被写体を浮き上がらせるという意図的な感じが伝わらないおそれがある。ボケ味写真の数が増えて「boke taste」という新語が定着するのがぴったりきそうだ。

この話をしていたら、2016年の夏に映画「レミングスの夏」の撮影現場でご一緒するさせていただいた撮影テクニカル・アドバイザーの先生からさっそくコメントをいただいた。「写真の世界ではBokehで通用します。out of focusだとピンぼけ。映画など動画系の撮影の世界では被写界深度が演出手法としてとても大切な要素なので、絞り=depth=深さの関係を示す表現としてボケ味をShallow focusという言い方で表現することあります。」と教えていただいた。なるほど。

 

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