千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館は素晴らしい。2016年12月に開催されていたレオナール・フジタ展で40数年ぶりに「私の夢」に再会した。この絵はわたしが中・高生の頃長岡の現代美術館に所蔵されていた。やがてこの奇跡のような美術館のオーナーの銀行が経営破綻し、所蔵品は分散することになる。
フジタの「わたしの夢」は長岡市の信濃川ベリに新潟県立近代美術館ができた時にこちらの所蔵となった。それからずーと再会を夢見てきた。近年は各地の美術館企画展で相互貸出が盛んらしく、人気のあるこの絵は頻繁に旅をしているようだ。これまで帰郷した時に再会できなかったのでうれしかった。
40年ぶりの再会には新しい発見があった。今回の展示で「わたしの夢」の左隣にもう一枚の絵がかけてあった。絵の中央に横たわる乳白色の裸婦像はそっくりだ。右側の展示の「わたしの夢」が何故暗い印象があるのか?何故眠る裸婦像の周辺で十数匹の猫たちが侃々諤々の議論でもしている様子で踊っているのか?この2つの疑問は左の絵との比較でなんだか理解されるような気がした。
2枚の絵の制作年を確認してみると、一方はフジタがパリの画壇の寵児として脚光を浴びていた頃の絵である。もう片方は戦後に戦争協力のの批判にさらされ日本を捨てる直前に描かれた絵である。そしてそのどちらの中央にある裸婦像はほとんど同じ表現となっている。変わったものと変わらないものの対比は鮮やか。何とも言えないこの絵の力のようなものの背景が理解できるような気がした。
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